2019/08/18 12:43
今年は普段からお世話になっているUNITED ARROWSさんと様々なお仕事をさせていただきました
なんと言っても苦労したのがオリジナル墨流し浴衣



2018年の夏が終わった直後からプロジェクトが始まりました
基本的に同じものが作れないのが墨流し
その上で同じ色、柄を用いたプレタ浴衣を作るというのが新たな挑戦でした
理屈でいうと、多量の各色料を作っておき、色を変えず、同じ道具同じ流れで作ればほぼ同じイメージで仕上げることは可能です
しかし大変なのは、ベースになる液の固さや、その日の天候によって微妙な色濃度や表情が変わってしまうので、同じ柄はなるべくその日に染めてしまわないと、色柄に大きな相違が発生してしまうということです。
そのへんの覚悟も踏まえた上で今回のお話を受けることになりました
あまり複雑な柄にしてしまうと、再現がより難しくなるので、墨流しの代表的な柄「マーブル」「ピーコック」「矢羽根」の3柄に絞りました



色使いにしてもなるべく複雑なものから避けるべきだったのですが、色々イメージするうちに創作に対する意欲が止まらなくなり笑 これまでの私が染めた墨流しの中でも最も複雑な色使いになりました



結果的に、自分でも初めて見るくらい楽しい色配置になったので、苦労はしましたが満足しています
着物は着て初めて完成するとはよく言ったもので、UAさんの作ったビジュアルフォトは大変素晴らしく、私の墨流しを十二分に素敵に見せてくれて、大変感謝しています



今回プロジェクトの立ち上げ当初から、UA担当者の方に「恭平さんのセンスを信じているので基本的にはやりたいように作ってください」と言っていただいたおかげで、存分にこの仕事を楽しませていただきました
今後も機会あれば、キレッキレな墨流し浴衣をUAさんに提案させていただきたいと思っています